症例5 17才男性 うつ病、起立性調節障害

現病歴

元来、あまり活発なタイプではなく、体も丈夫とは言えなかった。

中1ごろから、朝起きられなかったり、だるさを訴えることが増えたため、小児科を受診「起立性調節障害の診断を受けた。高1から症状が強くなり、精神科を受診し「うつ」の診断を受けた。ジェイゾロフトやレスリンでうつ症状は緩解したものの、朝は起きられず、だるさや体調不良は続き、登校できない。高校をやめてからも生活状態は悪化。睡眠障害(過眠、時間がバラバラ)とだるさでほとんど何もできない。

母親より

主治医は、うつ状態が改善していけば、活動量も上がるとの見解だが、親としてはうつ症状はかなり良くなっているけれど、体が全くついてこない状態のように思います。本人もアンバランスに戸惑っているのか、長い不調に諦めているのか、不機嫌さが目立ちます。最近は、部屋にこもって横になって寝てばかりです。食事は摂りますが、お腹具合は不安定なようです。

初診時の状態

体のだるさ、やる気がでない、朝が起きれない。
起立性調節障害に対して、メトリジン、漢方処方あり。うつ病に対してジェイゾロフト、レスリン処方あり。

副腎疲労、甲状腺症状スコア

副腎疲労の症状が強く出ていました。

副腎疲労と甲状腺の関係について詳しくはこちら

脳機能スコア

特に大脳基底核の症状が強く、これはGABA不足であることが多いです。

脳機能スコアについて詳しくはこちら

検査結果

血液検査

ビタミンB群不足、亜鉛不足、アレルギー反応、メチル化傾向の低下、軽度炎症傾向を認めた。 血中の副腎ホルモンは正常範囲。ビタミンD濃度は極めて低い。

唾液中コルチゾール検査

朝方の唾液中コルチゾールは顕著に低下していました。

起立性調節障害を持つ人の多くは、何らかの原因がもとで副腎が疲弊し、朝のコルチゾールの分泌能力が低下しています。

原因はストレスのこともあれば、体内の隠れた炎症であることもあります。それをみつけるためには、様々な他の検査が必要になることもあります。

フードアレルギー検査

乳製品とカンジタ・アルビカンスに対して強いアレルギー反応を認めました。

グレートプレーンズ社の遅延型アレルギー検査は、カンジタの検出感度が優れていることが特徴です。

便検査

カンジタの増殖が認められました。腸カンジタ症は強い倦怠感を引き起こします。腸内には極めて強い炎症と、免疫状態の低下も認められました。

便中のリゾチームは、非常に敏感な腸の炎症マーカーです。

腸の内視鏡検査で全く正常だった方でも、この検査をすることで微小な腸の炎症をとらえることができます。
また、便中のIgAは腸の粘膜免疫の状態を表しています。この数値が下がると、様々な感染症の影響を受けやすくなります。

この方は、腸内の炎症と長年のストレスにより、免疫が低下したため、通常はほとんどいないカンジタが増えてしまったと推測されます。

毛髪ミネラル検査

2015年10月12日

2016年7月11日

食事内容を変更することで水銀量がだいぶ減りました。

症状の経過

まとめ

腸の炎症は副腎疲労を起こす典型的な原因です。ストレスを軽減し、腸内環境を改善する事で副腎は自己回復し始めることができます。この方の場合にはカンジタ症が腸内環境をさらに悪化させていました。

カンジタは日和見感染症であり、免疫が低下すると過剰に増殖します。ビタミンDの血中濃度が低かったのも免疫を下げた要因だったのでしょう。近年、ビタミンDが腸の粘膜細胞同士を結び付けるタンパク質を作る命令を出すことがわかりました。


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