ADHDの生化学的な原因と薬を使わない治療

ADHD(注意欠陥/多動性障害)はその名前が示す通り「不注意」「多動」「衝動性」を主症状とする発達障害です。近年、病名が認知されるに伴って大人での診断例も増えています。

ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。

出典:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/004/008/001.htm

詳細な原因は不明とされています。しかし、脳生化学分析の権威ウイリアム・ウォルシュ博士が、6,500人のADHD患者の脳内バランスを統計解析し、彼らの生化学的な特徴を見出しました。

生化学的な特徴とは、体内の一部のビタミン・ミネラルやアミノ酸のバランスなどで、これが脳内神経伝達物質に大きく影響するのです。

ここでは、ADHD患者の脳の栄養バランスの傾向とそれを補正する治療について説明します。

ADHDと行動障害患者における脳の生化学状態

2004年、ウォルシュ博士が207名の暴力行動の既往があるADHDと行動障害患者の脳内の生化学状態を調査しました。それらの患者に診られた傾向は以下の通りです。

血中銅上昇、亜鉛低下(被験者の75.4%)
高メチル化(29.5%)
低メチル化(37.7%)
ピロール障害(32.9%)
重金属蓄積(17.9%)
低血糖(30.4%)

これらのうち例えば、「血中銅上昇、亜鉛低下」は脳内ノルアドレナリン上昇、ドーパミン低下を招き、間欠的爆発障害、多動を引き起こします。これに対しては亜鉛をベースにグルタチオン、セレンなど抗酸化サプリメントを補充することが有効です。

また、「高メチル化」は、ドーパミン、ノルアドレナリンの上昇を招くため、不安、妄想、うつの症状が出ます。治療ではメチル化を抑える葉酸やナイアシンなどが有効です。

(関連記事)
脳の生化学タイプについて

このように、すべての患者に対して生化学状態を調査し、それに対する適切な生化学治療を行ったところ、92%の患者に行動の改善が見られました。

(参考文献)Reduced violent behavior following biochemical therapy

このように、ADHDへの栄養治療は、脳の生化学状態に応じて個別に行う必要があるのです。

ADHDの3種類の生化学状態と対処方法

彼は「ADHDはいくつかの学習障害をひとくくりにした用語」だと言います。

1 不注意が主症状の場合
2 衝動性、多動が主症状の場合
3 両者を合併している場合

これらはそれぞれの種類ごとに、独自の脳内生化学の状態を示す傾向があります。ここでは、ADHDの種類別の生化学状態とその対処方法について説明します。

不注意が主症状の場合

集中力の低下を主訴とするこのグループでは、半数以上に葉酸、B12,亜鉛、コリンの欠乏が見られます。これらの栄養をサプリメントで補うことで集中力改善が期待できます。

衝動性、多動が主症状の場合

銅と亜鉛のバランスが狂っている事が多いです。これが神経伝達物質の合成と調節に悪い影響をもたらしています。

ウォルシュ博士によれば、ADHD児の68%に血清銅上昇が見られました。特に遊離銅が非常に高値です。これによってノルエピネフリンが上昇し、ドーパミンが枯渇します。また亜鉛も枯渇しています。

ドーパミン再取り込阻害作用を持つリタリンはドーパミンレベルをあげて学業成績を改善しますが、このバランスを是正することでリタリン投与と同等の治療効果が得られます。

両者を合併している場合

この場合は、さらにメチレーション異常、重金属負荷、ピロール異常などが背景にあることも多く、検査による正確な診断が必要です。

ここに示したのは、あくまでもそのような傾向があるという事であり、実際には脳内の栄養状態は個別に異なります。実際の治療には生化学状態、栄養状態を見極める検査が必要です。

宮澤医院では、治療に先立ってウォルシュ博士の方法に乗っ取った生化学検査を行い、どういったアンバランスが存在するのかの診断をして治療計画を立てています。


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