カンジタ(カンジダ)の原因と治療

カンジタというと、膣カンジタ症を思い浮かべる女性が多いですが、カンジタは膣だけでなく、口腔や胃腸など管状になっている臓器で増えやすい性質を持っています。

膣カンジタを繰り返す場合、腸にもカンジタが増えている場合が多く見られます。また、水虫がなかなか治らない場合、根本には食生活の乱れによる腸カンジタ症があることも少なくありません。

腸カンジタは局所的な症状だけではなく、頭痛や倦怠感など全身疾患も引き起こす恐るべき病原菌なのですが、通常の腸検査で見つける事が難しく見逃されがちでもあります。

そこでくりかえすカンジタ症の原因となっている腸カンジタ症を見逃さないためのセルフチェックや、対処法についてご紹介します。

カンジタは全身疾患である

Candida albicans 2

カンジダ症は、カンジダ属に属するイーストによる真菌感染症のことです。

人間に感染を引き起こすカンジダ属は20種類以上ありますが、その大部分はカンジダ・アルビカンスです。それは常在菌であり、人の皮膚や粘膜の上に少数存在していますが、普段は症状を引き起こす事はありません。

しかし、長期間の抗生剤、ステロイドの使用、免疫力低下、重金属蓄積状態などの状態においてカンジダは大量増殖し、感染症状を引き起こします。

カンジタの症状は、感染を起こす体の部位によって異なり、口や喉で生じるカンジダは「口腔カンジダ症」、膣のカンジダは「膣カンジタ症」と呼ばれます。

特に腸のカンジタは食生活やストレスなどをきっかけに増えやすく、全身症状を引き起こししばしば問題になります。

腸カンジタ症は全身カンジタ症である

膣カンジタや水虫と違い、腸は解毒臓器である肝臓と直結しています。カンジタの菌糸が腸粘膜を突き破るとリーキーガット症候群を引き起こします。

リーキーガット症候群(LGS・腸管壁浸漏症候群)抗生物質やピルの使用によって善玉菌が減少したり、カンジタ感染・ストレス・食事の影響などにより腸管を守っているバリアが破壊され、本来なら取り込まれることのない様々な異物が体内に侵入し、炎症・アレルギー反応、肝臓への過大な負荷などを引き起こす状態。腸カンジタ症はリーキーガット症候群を引き起こす有力な原因の一つであると言われている

すると、カンジタの産生物であるアセトアルデヒド等が腸管から直接血中に流れ込み肝臓に負担をかけます。

その量が肝臓の処理能力を超えた時から、全身のカンジタ症状が顕著に出始めます。様々な種類の神経毒、代謝産物が、うつや倦怠感など全身症状を引き起こすためです。

腸カンジタは見逃されやすい

このように様々な症状を引き起こす腸カンジタ症ですが、残念ながら多くの人は病気に気が付いていません。

膣カンジタの本当の原因が腸にあったり、頭痛の原因がカンジタだったりする事はよくあることなのですが、それに気が付くには最初から「全身カンジタ症」という概念を念頭に置いておく必要があります。

カンジタは全身疾患という理解はまだ医学界に完全には浸透していません。原因を治療することなくその場の症状をおさえる薬だけが処方されることがあるので注意が必要です。

局所的なカンジタ治療の例
膣カンジタ   ⇒ 抗真菌クリーム
口腔カンジタ ⇒ うがい薬
頭痛     ⇒ 頭痛薬
うつ       ⇒ 精神科紹介

膣カンジタの治療を繰り返す人が多い理由は、腸カンジタを治療していないためと考えられます。局所のカンジタ症状が出たら、腸にカンジタがいないかチェックしましょう。

もちろん局所的な治療は必要ですが、根本原因にアプローチしなければ症状を繰り返し、薬を使い続けることになります。

カンジタが腸からなかなか出ていかない理由

カンジタは腸で増えやすく、居座った場合極めて難治性になることがあります。その理由は、カンジタと腸の相性の良さにあります。

腸はカンジタにとって格好の住処(すみか)である

カンジタは腸内フローラの一部を形成しています。ドイツでの研究では70%の人が腸カンジタを持っていることが判明しています。(Robert Koch Instituts 2004)

通常はごく少量ですので、体に大きな影響はありませんが、腸内細菌バランスが崩れると増殖し、免疫を弱め、消化力を低下させます。

食生活の乱れやストレスなどにより良性細菌が減ってしまった腸はカンジタの絶交の住処(すみか)です。増殖するのに必要な栄養がふんだんにあり、増殖するための粘膜があります。

腸カンジタはバイオフィルムで身を守っている

最終的に、敵から身を守るための「バイオフィルム」というバリアを形成すると、抗生物質も効きにくくなります。

こうなってしまうと、簡単な治療では完治が難しくなります。このバリアに対する治療が繰り返すカンジタ対策の決め手になります。

腸カンジタチェック

特に腸カンジタ症を強く疑う症状は以下の通りです。

特に赤字にあてはまる場合は要注意です

  • 抗生物質を長期間、または繰り返し使用したことがある
  • 副鼻腔、耳、気管支、肺、尿道炎などに繰り返しかかった
  • 倦怠感がある
  • 生理痛が強い
  • 甘いものがほしくなる
  • 化学物質化敏症(タバコの煙、香水など)がある
  • 短期記憶障害、思考の妨げがある
  • ピルやステロイドを長期間飲んでいる
  • 食べ物のアレルギーがある
  • 腹部膨満感が強い。下腹部が異常に出ている
  • 水虫など、爪や肌に慢性の真菌感染症がある
  • 糖尿病か低血糖症である
  • 耳、肌、髪、膣、肛門が痒い

カンジタを検査する方法

宮澤医院では、カンジタを検出するために様々な検査を行っています。
全ての検査には一長一短があります。
検査の感度と得られる情報によって、検査を決めます。

唾液カンジタ検査はあてにならない

巷にある情報で最も簡便なのは、唾液カンジタ検査です。朝起きてすぐ、何か食べたり歯を磨いたりする前にコップ一杯の水に唾液を垂らしてみる方法です。

正常な唾液の場合は水の上に浮かんでいます。しかし、カンジタが増殖した唾液の場合は2,3分後に唾液から糸状のものが降りてきたり、水全体が濁ったりするというものです。

しかし、実際にはアレルギーや脱水状態があるとカンジタがいなくても反応が出てしまう場合があり、あまりあてにはなりません。

科学的根拠にも乏しく、結果としてはお勧めしません。

病院で行うカンジタ検査

カンジタは菌糸を出して腸の壁にとりついており、便の検査を行っても出てこない場合もあります。その場合はカンジタが体内で作っている物質を測定するのが確実な方法です。

当院では、カンジタ菌を培養したり、カンジタの生成物を測定する方法をとっています。

腸カンジタの治療は抗菌と環境整備を同時に行う

カンジタは元々体内に存在する常在菌です。過剰増殖した場合、たいてい引き金となった環境変化が存在します。

だから、「カンジタ除菌」に加えて「環境の改善」を同時に行う事が治療のコツです。

実際には抗菌薬(抗菌ハーブ)、免疫の向上、腸内環境改善、肝臓、脾臓のケアなどを総合して行います。

ナイスタチンをうまく使う

非吸収性の抗真菌薬「ナイスタチン」は広く使われている腸カンジタ治療剤です。カンジタ・アルビカンスに対して有効ですが、使用を繰り返すと耐性化し効果が弱くなってきます。

薬を使用すれば菌量は減少しますが、カンジタの増える環境をそのままにしておけば、また直ぐに再発してしまうため、環境改善と共に行うことがポイントです。

また、ナイスタチンは非吸収性(腸から吸収されない)の薬剤で、全身への副作用が少ないのが特徴ですが、リーキーガット症候群を起こしている患者さんに対してはその限りではありません。

腸に穴が開きっぱなしの状態でカンジタ除菌治療を始めると多くの場合、様々な副作用に見舞われることになります。除菌治療の前には腸内環境の修復が必要です。

ハーブ類をローテーションしながら使う

カンジタに有効性のあるハーブには、グレープフルーツシードエキス、オレガノ、カプリル酸などがあります。

カンジタは抗菌剤だけでなく、ハーブ類に対しても耐性をつくることが知られています。3種類以上のハーブを併用するか、ローテーションで使用して耐性化を避けるように使用します。

バイオフィルム対策も必要

カンジタは敵から身を守るため「バイオフィルム」というバリアを形成するため、抗生物質も効きにくくなります。

一旦出来たバイオフィルムを破壊するのは簡単ではありません。また、時間が経過しているほどバイオフィルムは強固になり、抗生物質治療抵抗性になります。

セルラーゼやプロテアーゼなどを中心とした消化酵素を空腹時に摂取することで、バイオフィルムを徐々に破壊していきます。食物繊維を中心とした食事も大切です。

増殖原因を除去する

カンジタの増殖原因は「砂糖」「ストレス」「抗生物質」「ピル」「水銀」です。

「砂糖」以外にも糖分が多く入っている加工食品を見極め、除去しましょう。その際特殊な場合を除き、厳格な糖質制限はしない方が無難です。副腎機能が悪化し、食事が続けられない状況に陥る方もいます。

ストレスを消し去るために一番必要なのは睡眠です。様々な事を排除して睡眠時間を確保しましょう。また、ストレスをストレスとして感じない様にするには瞑想、ヨガなどが有効です。

ヘリコバクタピロリ菌の除菌などでどうしても抗生剤を使用しなければならない時は、投与の1週間以上前から乳酸菌を十分摂取し、腸内環境の変化に備えてください。

歯科アマルガムが充填されていると水銀の暴露量が多くなります。除去にも危険が生じますので、くれぐれも防御がしっかりしている歯科医での除去をお勧めします。

(アマルガムの危険性及び、安全な除去について詳しくはこちら)

増殖因子を抑える

カンジダの増殖因子は栄養、場所、PHの3つです。

カンジダの増殖を抑制するためには、次のことが重要です。

場所を与えない ⇒ 良性菌投与して腸内フローラに隙間をつくらない。
栄養を与えない ⇒ 単純糖質を避ける
PHを上げない  ⇒ 乳酸菌、胃酸、カプリル酸などを使用する。

さらに腸の炎症を抑え、腸壁をメンテナンスすることが大事です。

プロバイオティクス、抗真菌薬の投与や、炎症を起こさない食事も必要になります。

とにかく乳酸菌が重要

乳酸菌の3つの働き

  1. 腸内のスペースを占拠
  2. 乳酸を産生し、腸内PHを調整
  3. 免疫システムをコーチする

腸管内のスペースは有限であり、通常、腸壁は良性細菌で占められています。
食事由来の栄養は、良性菌のエネルギー産生、コロニーの維持に使用され、
カンジタにはほとんどまわってこないのが正常なパターンです。

つまり、場所と栄養がないので本来カンジタは増殖できないはずなのですが、
抗生物質などによってこのバランスが崩れると、良性菌減少し、カンジタが空間と栄養を
手に入れてしまい一気に増殖してしまうのです。

まとめ

カンジタ除菌治療は、単にカンジタに対する薬を飲むだけでは難しく、かなりの確率で再発します。様々な治療を並行して行う必要があります。

また、カンジタ治療には食事改善が不可欠ですので、これもご参考にしてください。

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